雑記

資格・ビジネススキルで使える社会人のための学習方法

社会人になってからも資格やビジネススキルなど、勉強が必要です。しかし、学生と違って時間がありません。効率よく成果につなげていかなければいけません。

ここでは個人的な備忘録や同僚、後輩への参考資料も兼ねて、勉強法について書いていきます。私自身も試行錯誤の最中です。間違っていると思うところやもっと効率のいい方法があれば、ぜひコメントをください。

勉強の手段

勉強の基本は本です。過去の経験をまとめたものなので、自分で1から試行錯誤するよりも大幅に時間を短縮できます。

ビジネス書は2種類

仕事で使う本には2種類あり、読み方が違います。

  • 具体的な手段・知識などが書いてあるもの(PDCA・ロジカルシンキング・トヨタの○○・技術書・資格本)
  • ビジネスをする上での基本的な考え方などが書かれているもの(7つの習慣・道をひらく・人を動かす)

前者で目の前の具体的な問題を解決しつつ、後者を読んでものの見方を広げたり、行動の指針を作っていったりします。

抽象論は役に立たないか?

「根性論・抽象論なんて役に立たないよ」と思われるかもしれませんが、戦略レベルの話と戦術レベルの話でどちらも必要です。極端な話、具体的な手法だけ学んでいると、「お客様目線がない(あっても何かずれてる)」「同僚や上司と協調して仕事をするという考えがない」という状態になりかねません。

読むのなら古典・名著を

10年、20年と読まれ続けている本は本質を捉えていて、時が経っても役に立つ内容です。7つの習慣道をひらく人を動かすなど、古典や名著と呼ばれる本を読んでください。

こういった本は分厚く、難しい本が多くなりがちなので、入門としては漫画で分かるシリーズなど、内容を分かりやすくまとめた本もおすすめです。

  

新書ばかり読まない

読みやすいからと言って、新書ばかり読むのはやめましょう。私自身読んだ上で今があるので読むなとは言いませんが、新書ばかり読んで勉強したつもりになるのはやめましょう。新書はすぐに内容が廃れるものや、既存のビジネス書の内容を薄めたもの、書き方を変えただけのものなどが多くなってしまいます。

それよりは、専門書を読んだり、名著を繰り返し読むことに時間を使って方がいいのではないかと思います。

資格

何かについて一定の知識・技術を持っていることを証明するのが資格です。逆に言うと、資格の勉強をすればその一定の知識を身につけることができます。

メリットは主に次の3つです。

  • 体系的な知識をインプットできる
  • 問題集を使って適度にアウトプット・理解度の確認ができる
  • 試験の合格がモチベーションの維持・対外的な実力の証明になる

おすすめするのがMicrosoft Office SpecialistなどのPC系の資格を取ると共に、自分の所属する業界、職能(人事・財務・現場管理など)に関する資格を取ることです。

事務系の仕事はExcelやWordが使えているかどうかで数倍の差が出ますが、入門書レベルの内容ができていないという人を割と見かけます。

職能別の資格についてはビジネスキャリア検定をおすすめします。公的な資格ですし、公式テキストがかなりしっかりとしているので、基礎的な知識は網羅できます。

代表的な資格

音声学習

オーディオブックやポットキャストは音声を使って学習ができるサービスです。音を聞くだけなので、ジョギングや家の片付けなど、頭はあいているけど手が空いていない状況でもインプットができます。オーディオブックの聴き放題で新しい本を探したり、同じ本を繰り返し聴いたりするのに有効です。

反面、飛ばし読みができなかったり、図表がないなどのデメリットがあります。個人的にはメインの学習方法にはならず、あくまでも空き時間を有効活用するためのツールだと考えています。

オーディオブック

オーディオブックとは、書籍を読み上げた音声を販売しているサービスです。代表的なサービスは次の2つです。

audiobook.jpは750円の聴き放題サービスがありますし、セールも頻繁にやっているのでおすすめです。

ポッドキャスト

インターネットラジオの一形態です。

通常はアプリで番組の検索、登録を行います。iTunesやCastbox(Android)に番組を登録すると、新着番組の取得、ダウンロードを自動的に行われます。

番組はNHKや日経などの大企業が発信している場合、弁護士事務所など小規模な事業者が発信している場合、個人が発信している場合など様々です。

本の読み方

頭から順番に全部読んで時間切れ。あるいは、最後のページにたどり着いたときには前半の内容を忘れている。そうした状態を防ぐ方法です。

入門書から読む

大きなジャンルについて勉強する場合は必ず入門書から読みましょう。

PDCAなどのビジネススキルや特定の考え方について勉強する場合も、漫画で分かるシリーズなどを読んでおくと、その後の理解も早くなります。

知らないことは記憶できない

「芋づる式に思い出す」記憶と記憶はつながっているためこの様なことが起きます。

脳は網目状に知識を構築しており、元々ある知識に関連付けて記憶していきます。そのため、まったく知らないことはなかなか頭に入りません。

また、名著と呼ばれる本は分厚く、1回読んだだけでは十分理解できないものがほとんどです。

最初に簡単な入門書から読むことで、理解、記憶の足がかりを作ることができます。

知識の偏りを防ぐ

専門的になればなるほど内容が偏ってきます。まずは全体を俯瞰する必要があります。

例えば、日曜大工をはじめようとしたときに、のこぎりの専門書を買っても意味がないですよね。本には読むのに適切なタイミングがあります。

また、「電動工具で作ったものには心がこもっていない」「今時電動のこぎりを使ってないのは時代遅れ」など、両論あるものやケースバイケースなものでも極論が書いてある場合があります。

あらかじめ全体を俯瞰する本を読んでいれば、「これはこちら寄りのポジションで書いてある本だな」という事が分かり、極論を真に受けることがなくなります。

同じジャンルの本を3冊以上用意する

本には対象とする読者層の違いや、内容の偏りがあります。ジャンル全体について書いてある入門書であっても、一発で自分の欲しい粒度で必要な情報を網羅している本を手に取れることは希です。複数の本を読むことで内容のばらつきを補正していきます。

どの本にも共通して書かれていれば、必ず押さえておくべき重要な内容です。何度も読むことになるので自然と頭に入ってきます。

そこを中心に、自分にとって合う情報を追加していき、あまり必要でない情報や、極論、間違っている内容は排除していきます。

頭から全部読まない

頭から全部読んでいたら時間がかかって仕方がありません。入門書から読むのと同じ理由ですが、最初に全体を把握する様にします。

目次で概要をつかむ

まず、目次を読んで何の本で、どういう方向へ話が進んでいくのか把握しておきます。

買った本でもここで合わないなと思ったら、読む前でも処分します。時間の無駄です。

気になるページを先に読む

気になるページや重要そうなページを先にざっと読んでおきます。

記憶の足がかりになりますし、繰り返し読むことになるので定着しやすくなります。

難しすぎる・知っている・必要のない部分は飛ばす

既に知っている部分や必要の内部分を読んでも意味がないので、さっさと飛ばして次に行きましょう。

自分にとって難しすぎる部分も飛ばして構いません。脳が学習を拒否していますから、無理して読んでも記憶に定着しません。1周読み終えた後、少し実践した後に再び読むと、すんなり理解できる場合もあります。

全体を通してこの調子だと、本の内容が悪いか、ほんと自分のレベルが合っていません。一旦、入門書などに戻った方が効率的に学習できます。

インプットだけでなく必ずアウトプットする

趣味ではなく仕事として本を読む場合は、読むだけでなく行動に移さないと無意味です。

また、何らかのアウトプットをする事で、記憶へ定着しやすくなります。やみくもにインプットをするよりも、インプットとアウトプットを繰り返した方が効率が良くなります。

  • 書かれていることを実践する
  • 問題集を解く
  • ブログやツイッターに書く
  • 人に話す
  • 関連する本を読む

忘却曲線

人間は1回だけ見た内容はすぐに忘れます。逆に、完全に忘れる前に再び目にした情報は長期記憶に入り、忘れにくくなります。

これを利用して「1、2日後」「3、4日後」「1週間後」「2週間後」「1ヶ月後」「3、4ヶ月後」という様に、間隔を徐々に空けて再インプット・アウトプットすることで、記憶を確かなものにします。

資格の勉強方法

テキストをひたすら読むという方法を取っていたら時間の無駄です。

何割程度取ればいいのか決めておく

どうせなら全部100点と言いたいところですが、すべての試験で100点を目指すのは時間の無駄です。

「60点から80点」「80点から90点」「90点から100点」。

100点を取ったところで、使わない部分は忘れます。

業務に直結する資格は90点以上

業務に活かすために資格を取る場合は90点以上を目指しましょう。

例えば、Microsoft Officeの操作方法を問うMicrosoft Office Specialistであれば、どれも覚えておきたい基本的な機能です。その後の実務で活かすためにも手が覚えるまで、繰り返し問題を解きましょう。せっかくの機会なので「合格点ギリギリでうろ覚え」ではもったいないです。

ただし「ここは絶対に使わないな」という所は、合格に関係なければ迷わず切り捨てて構いません。MOSだと唯一キューブ関数はほとんどの職場で使う機会がないと思います。

法律的に必要な資格は合格基準+α

「法律で決まっているから仕方なく」という場合は合格ライン+安全マージンのみの勉強で大丈夫です。

こういった資格の場合、深く勉強しても業務効率は一切上がりません。高得点を取ろうと思うと、自分の仕事と一切関係のない事まで事細かに覚える必要があります。

「事業を拡大するからこの資格が必要になる」という場合は別ですが、通常は法律に沿った社内ルールが既にあるはずです。さっさと合格して、実務に関係のある知識の習得に時間をかけましょう。

例えば、衛生管理者であれば巡回時のチェックリストを作成したり、危険予知トレーニングなどの安全に対する取り組みをどうするかという事を考えていきましょう。

選択式問題は過去問を中心に勉強する

多肢選択式の試験は似た様な問題が出る傾向があります。問題集を中心に学習することで、効率よく合格ラインを超えることができます。

問題集はなるべく解説の詳しいものを選んでください。

1.テキストをざっと読む
2.問題集を解く(完全に理解している問題は○を付ける)
3.解説を見ながらすべての選択肢について理解する
4.○のついていない問題を再び解く

全選択肢について9割方理解するまで3、4を繰り返します。○のついた問題が増えていくので、1周するのにかかる時間はだんだん短くなっていきます。

この時、5ジャンル(過去問なら5年分)あったとして、5ジャンル一気に解こうとしないでください。1、1→2、1→2→3という様に、徐々に範囲を広げていくことで、忘れる前に繰り返し問題を解くことになり、効率よく記憶することができます。

参考書籍